日本の製品は独創的なアイデアと
高い品質で海外でも大人気です。
観光客が家電や化粧品などを
大量購入する爆買いを
ニュースで耳にしたことがある人も
多いのではないでしょうか。
この日本のブランド力を支えているのが製造業です。
日本のものづくりに欠かせない製造業ですが
ネットではお給料の安さなどから
将来に不安を感じるなどの意見も見られます。
製造業のお給料は本当に安いのでしょうか?
もしお給料が安いならば
アップするためには何をすべきだと思いますか?
この記事では製造業のお給料の実態について
お伝えしていきます。
もくじ
製造業の給料が安い理由
私たちの生活に必要なものを作り出すため
製造業の工場は24時間稼働していることが多いです。
工場で働く人の中には
2交代や3交代制で昼間に働いたり
夜間に働いたりしている人もいます。
機械化も進んでいますが
その管理にも人員が必要ですし
どうしても人の手でしないといけない作業もあるでしょう。
大勢の人手が必要なのに
その全員に高いお給料を払っていては
会社がつぶれてしまうかもしれません。
会社を維持するためには
できるだけコストを抑える必要があるのです。
そのために安い労働力を求めて
海外に工場を作っている企業もたくさんあります。
国内では高卒の人を積極的に
採用する傾向があるようです。
令和元年度の高校新卒者に対して
製造業界が出していた求人数は
なんと138,258人でした。
(参考:厚生労働省『令和元年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ』
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000667999.pdf)
高卒の初任給は大卒と比べて安いです。
なるべく人件費を抑えるために
お給料が安く済む人材を中心に雇用するので
業界全体の平均給与は下がるでしょう。
結果として
「製造業の給料は安い」
という評価に繋がっていると考えられます。
企業によっては給料が高い
本当に製造業の給料は安い会社ばかりでしょうか?
いいえ、安い会社ばかりではありません。
例えばトヨタやマツダなどの
有名な自動車メーカーの工場ならば
期間工などの契約社員でも
月給30万円近くになる求人が沢山あります。
その他の製造業でも
大手の工場の正社員のお給料は
月給20万円を超えているところがほとんどでした。
基本給の他にも
家族手当や残業手当など各種手当があり
福利厚生が充実しています。
働くならばこの様な企業で
働きたいですね。
しかし、地方の中小企業では
正社員でも月給20万円を下回ることも
珍しくありません。
(参考:ハローワークインターネットサービス 求人検索
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/kensaku/GECA110010.do)
知人が工場に勤務していましたが
高卒で就職して
手取りは12万円ほどだったそうです。
働くうちに徐々に上がっていったそうですが
収入が月に12万円では
一人暮らしや結婚を考えたりはできそうにありません。
知人も実家暮らしでなければ
とてもじゃないが続けられなかったと言っていました。
同じ製造業でもここまで格差があると
確かに嘆きたくもなりますね。
平均は全体平均よりもやや高め
令和2年分の民間給与実態統計調査によると
製造業の平均給与は501万円で
全体平均の433万円よりは
70万円近く高いことが読み取れました。
(参考:国税庁 長官官房 企画課『令和2年分 民間給与実態統計調査 調査結果報告』
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf)
製造業は低賃金の会社も多いですが
大きな会社ならば給料は高くなる傾向があり
これが製造業の平均年収を引き上げています。
製造業より上の年収をもらっている業界は
電気・ガス・熱供給・水道業などのインフラ系や
金融業・保険業、情報通信業など
専門的な知識や技術が必要な業界がほとんどです。
学歴不問で入社しやすい業界としては
お給料がいい方に入ると考えられるのではないでしょうか。
給料が安く、仕事がきついことから
最近は製造業を嫌厭する人も増えていますが
会社さえ選べば良い就職先と言えそうです。
工場勤務だと給料がなかなか上がらない
製造業の昇給はかなりのスローペースです。
地方の中小企業に多いのですが
正社員として勤務しても
1年で1000円しか上がらないということも
業界を問わず、よくあります。
製造業の中でも
研究開発や技術職などの
成果が目に見えやすい職種なら
まだ給料アップのチャンスがあるでしょう。
しかし、その職種についている人は一握りです。
工場などのラインで働いている人は
決められた同じ作業の繰り返しが多いので
なかなか一人だけ飛びぬけて
出世や昇給するのは困難と言えるでしょう。
製造業の会社で事務職に就いている知人によると
工場のラインで働く若い人たちは
交代勤務や残業の手当てで稼いでる人が
ほとんどだそうです。
年齢が上がるにつれて
給料も上がって役職に就く人も増えるので
その頃に交代勤務をしなくてもいい部署に
異動していくと話していました。
別の知人は昇給・昇進の代わりに
海外の工場に異動してほしいと
打診されたこともあるそうです。
日本に居たかった知人は
体力的にきついけれど手当が出る
交代勤務を続けていました。
製造業の工場勤務で給料をアップしたいと思ったら
役職につくか、交代勤務で手当が出るような
働き方をする必要がありそうです。
しかし、役職につけるかは分かりませんし
交代勤務で夜勤などを増やすと
体にも負担がかかります。
日勤のまますぐに年収をあげたいならば
給料の高い企業への転職も考えた方がいいでしょう。
ボーナスや残業代に頼らずに平均の年収を上げるには
製造業の年収はボーナスが
大きなウェイトを占めています。
令和2年の民間給与実態調査でも
平均給与の501万円のうち、92万円は平均賞与でした。
(参考:国税庁 長官官房 企画課『令和2年分 民間給与実態統計調査 調査結果報告』
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf)
ボーナスがあるのはありがたいことですが
もし業績が悪化して、ボーナスカットになると
収入は一気にダウンです。
残業代も同じで
繁忙期にはたくさん残業代がもらえますが
残業がなくなれば、収入は減ってしまいます。
もし毎月の給料が少ない分を
ボーナスや残業代で補てんしているような場合
これらがないと家計が回らなくなってしまうかもしれません。
そうならないためにも
毎月の収入を増やす必要があります。
製造業で毎月の収入を増やすためにできるのは
以下の2つです。
・資格を取る
資格手当がある場合は積極的に資格をとりましょう。
自分の業界に合わせた資格を取ることで
年収アップにも転職にも役立ちます。
会社が受験費用を補助してくれることもあるので
機会を逃さないようにしましょう。
・年収の良い企業に転職する
今いる会社よりも基本給の良い会社に転職しましょう。
転職する際には製造業向けの転職サイトや
転職エージェントを利用することをおすすめします。
製造業は給料が安い会社もありますが
会社の規模や取り扱っている製品によっては
高収入を得ることができる会社もあります。
資格や今までの経験を活かして
より良い企業に転職して年収アップを目指しましょう。
まとめ
・製造業の給料が安いのは人件費を押さえるために
高卒などのコストが安い人材を中心に採用しているからと考えられる
・大手の会社は製造業でも給料が高い
・令和2年の製造業の平均給与は501万円で、全体平均よりは高い
有名企業などが平均を押し上げている
・製造業は年収が上がりづらい
すぐに年収をあげたい場合は転職も考えてみること
・ボーナスや残業代に期待し過ぎるのは危険
資格の取得や転職で年収を増やす努力が必要
製造業は給与が安い会社も多いですが
有名企業を選べば高い給料と手厚い福利厚生を
ゲットすることができます。
学歴不問で、経験を重視している会社が多いので
現在安月給で工場に勤務しているという人は
転職を考えてみるのはいかがでしょうか。
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