公務員といえば
小学生から大人まで全ての世代の
「なりたい職業ランキング」
にランクインする、人気の職業です。
不景気が続く中で
最近のなりたい職業は
憧れよりも安定を求める傾向に
シフトしています。
倒産することもなく
昇給も賞与も毎年もらえるなんて
一般企業に勤務する人から見ると
うらやましい限りですね。
一方で異動が多かったり
どれだけ仕事を頑張っても
お給料は変わらなかったりと
デメリットもあります。
安定していて周りから
うらやましがられる公務員ですが
実は辞めたがっている人も多いようです。
今回はその中でも特に
50代で公務員を辞めたいと思っている人に
50代での転職のリアルについてお話ししようと思います。
もくじ
50代の公務員が仕事を辞めたい理由
令和元年度中に離職した地方公務員の人数は
定年や早期退職、自己都合を含む普通退職を
合わせて約13万人でした。
そのうち早期退職を選んだ人は約4000人でしたが
普通退職した人は約4.5万人にも上りました。
その内50代の人の割合は
早期退職では約3300人で約90%を占めており
普通退職で約4000人で約10%となっています。
(参考:「令和元年度 地方公務員の退職状況等調査」総務省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000736291.pdf)
定年まであと少しというところまで頑張ってきて
どうしてここで辞めてしまう人が多いのでしょうか?
それには以下の理由が考えられます。
・クレーム対応などのストレスで健康状態が悪化
・仕事がつまらない
・残業がつらい
・人間関係がつらい
・管理職になって責任が重くなった
・親や配偶者の介護に専念したい
50代というと
管理職になっている人の割合が多くなります。
部下の教育や責任の重い仕事が増え
それに加えて人間関係などのストレスから
仕事が辛くなっている人が多いようです。
これは民間企業でも同じですね。
また、早期退職の制度を利用する人の
ほとんどが50代であることから
この制度を利用できる年齢になるまで
ずっと我慢している人が多いことが伺えます。
今辞めるのはもったいない?
公務員になるには
高倍率の公務員試験に合格する必要があります。
専門の対策予備校に通ったり
民間企業に勤めながら独学で勉強したり
たくさんの努力の末に勝ち取った仕事です。
これを手放してしまうのは
誰でももったいないと感じると思います。
特に不景気の時は民間企業では
40代、50代は真っ先に人員整理の対象です。
辞めてもすぐに次の仕事が
見つかる保証はありません。
仕事を辞めたあとにしたいことが
具体的に決まっているなら良いでしょう。
しかし、仕事がつまらなかったり
人間関係が辛かったりで
勢いだけで辞めると後悔することになります。
今抱えている問題は
解決できないものでしょうか?
異動届を出してみたり
休職して仕事から離れてみたり
方法はいろいろあります。
それで我慢できるようなら
後数年と思って頑張ってみるのもいいでしょう。
もし、どうしても
「もう公務員としては働けない」
と思うようなら
転職や早期退職も考えてみてください。
公務員を辞めた後も人生は続くのですから
収入源を確保することは大切です。
よく考えてベストな選択をしてください。
50代で転職したいという考えは甘いのか
50代で転職したいという考えは甘いのでしょうか?
50代の転職は厳しいですが
選り好みをしなければ仕事は見つかります。
ただ、転職活動が長期化することは
覚悟しておきましょう。
50代は一般企業で経験を積んできた人でも
なかなか採用が決まりづらくなる年齢です。
定年まで10年弱しかないので
企業側も少ない年数で
より大きな貢献をしてくれる人を探しています。
公務員一筋でここまで来た人を
欲しがってくれる企業を探すのは
なかなか難しいかもしれません。
実際に50代は
どのくらいの需要があるのでしょうか?
試しに求人サイトで
「50代、未経験」
のキーワードと仮の居住地を東京として
検索してみました。
見つかった求人数は約10万件で
そのほとんどが飲食や軽作業、清掃
そして介護や警備員などの非正規雇用です。
正社員の求人もありましたが
タクシードライバーや保育士などの
資格職が主でした。
資格がいらないものだと
清掃業や介護助手などの
肉体労働が多くなります。
転職することは難しいですが
業種や雇用形態にこだわらないならば
不可能ではありません。
50代になると20代や30代の頃と違って
体力も落ち、新しいことを覚えるのにも
時間がかかります。
未経験の業種では
年収が大きくダウンすることと
年下の上司の下で一から頑張っていく
必要があることを覚えておきましょう。
ここまで真面目に働いて
十分な蓄えがあるならば
セミリタイアを検討してみてもいいかもしれません。
50代ということは
人によってはお子さんがまだ
学生の可能性もあります。
親の介護にお金がかかったり
家のローンが残っていたりする人も
いるかもしれません。
転職、早期退職する場合は
家族とよく相談してからにしましょう。
ファイナンシャルプランナーなどの
専門家に話を聞くのもおすすめです。
もしこれからまだまだお金がかかる場合は
転職するなら在職中から転職活動をして
次を決めてからにしてください。
収入がなくなると貯金が減っていくことに焦って
今よりも条件の悪い職場に
入ってしまうことになりかねません。
在職中の転職活動は
残業の多い公務員の人には
大きな負担です。
そこでおすすめなのが
「転職エージェント」です。
転職エージェントは
求人情報の検索や履歴書作成のアドバイスなど
転職活動をサポートしてくれます。
転職活動の負担がぐっと軽くなりますよ。
非公開の求人情報も持っているので
一般の求人サイトで気に入った求人が見つからないときは
ぜひ登録してみてください。
公務員でも多い!パワハラ問題
民間企業と同じように
公務員の間でも問題になっているのが
「パワハラ」です。
令和2年度に行われた地方公務員の
健康状況の調査によると
精神および行動の障害で長期休職中の
公務員の数は10万人あたり約1700人でした。
この数値は年々増加しており
今では10年前と比べると
1.5倍に増えているとのことです。
(参考:一般財団法人地方公務員安全衛生推進協会
『地方公務員健康状況等の現況の概要』より)
メンタルを病む原因は様々ですが
近年ではパワハラなどの
ハラスメントによる不調が増えています。
ネットでも公務員のパワハラに関する
ニュースがいくつも見つかりました。
記事を読んでいると…
公務員は基本的に年功序列で
たとえこちらが正しくても上の人に逆らうと、
嫌がらせにあってしまうことが多いというのが
読み取れます。
真面目に仕事をしているのに
それを正しく評価してくれないどころか
嫌がらせをされては
モチベーションを保つことは難しいですよね。
こういった上司の下にいると
その内心身を病んでしまう可能性があるので
上司の上司に相談したり
異動願いを出したりするなど早めの対処が必要です。
1人で悩んでいる場合は
まず誰かに相談してみましょう。
何をモチベーションにすればいいのか
公務員の仕事はモチベーションが
上がりにくい仕事だという意見も多いです。
多くの民間企業では
仕事を頑張った分だけそれが評価に反映されて
昇進や給与といた形で現れます。
しかし、公務員の給与は一般的に規定で
年齢と勤続年数によって決められているので
どれだけ頑張っても給与は大きく変わりません。
安定しているのは良いことですが
頑張りが正しく評価されないというのは
やりがいがないですね。
仕事内容もルーチンワークが多いので
新しいことに挑戦という刺激が少ないです。
また、公務員の仕事はストレスを受けやすく
窓口で市民からクレームを言われたり
何かあると「税金泥棒」などと
理不尽な罵倒をされたりします。
市民のために尽くしているのに
感謝されることは少なく
上司からはパワハラを受け
内にも外にも敵だらけです。
こんな状態でモチベーションを保つのは
はっきり言って難しいでしょう。
唯一良いところは
給与と雇用が安定していることでしょうか。
定年まで頑張れば
民間企業よりも退職金が多くもらえるので
それをモチベーションにして
頑張るのもいいでしょう。
仕事に安定ではなく
やりがいを求めるならば転職が必要です。
50代は定年まで時間がありません。
どうしても他の仕事がしたいならば
1日でも早く転職活動を開始しましょう。
まとめ
・50代で公務員を辞めたい理由は
人間関係や仕事の責任の重さから来るストレスが原因
・せっかく勉強して勝ち取った仕事を辞めるのはもったいない
まずは状況の改善ができないか試してみよう
・50代で転職はできなくはないが
転職活動はとても厳しいものになる
経済面で不安がないか家族とよく相談すること
・公務員でもパワハラは問題になっている
理不尽な上司に悩んでいるなら周りに相談しよう
・公務員の仕事はモチベーションを保つのが難しい
安定よりも仕事のやりがいを求めるならば
1日でも早く転職活動始める必要がある
50代まで真面目に頑張ってきたけれど
もう限界という人はたくさんいます。
心身を病んで限界になる前に
転職したいと思うのは当然のことでしょう。
しかし、50代での転職が
厳しいものであることも事実です。
これから転職したいと考えているならば
1日も無駄にはできません。
ハローワーク、転職エージェント
知人の伝手など頼れるものは頼って
定年まで納得して働けるお仕事を探しましょう。
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