「正社員で仕事をしているけれど辛くて辞めたい」
「定年まで本当に働けるのか」
こんなことを誰でも一度は思ったことが
あるのではないでしょうか。
今回は定年まで働く自信がない女性の割合と
定年まで働き続けるメリットについて
お話ししていきたいと思います。
もくじ
定年まで働く自信がない女性の割合
平成30年に内閣府が行った世論調査で
「何歳まで仕事をしたい(した)か」
という質問に対して、65歳以下で
仕事を辞めたいと回答した女性の割合は以下の様になっています。
・30歳以下 4.8%
・31歳~40歳 2.2%
・41歳~50歳 4.8%
・51歳~60歳 23.9%
・61歳~65歳 27.0%
※女性1550人が回答
また、「その年齢で退職したい(した)理由」は
以下の3つが上位を占めています。
・体力的・精神的に厳しいから 34.0%
・定年退職の年齢だから 22.5%
・趣味やボランティアなど
仕事以外のことに時間を使いたいから 14.6%
※女性972人が回答
(参考:内閣府大臣官房政府広報室『老後の生活設計と公的年金に関する世論調査』
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000477279.pdf)
この結果から、
体力的・精神的に負担を感じて
定年である60歳までに仕事を辞めたいと
考えている女性が約35%もいることが読み取れます。
近年、共働きの家庭は増えていますが
家事や育児、介護の負担は
まだまだ女性が負っていることも多いです。
負担が多い分、経済的に働かなくても大丈夫なら
定年を迎えるよりも前に辞めてしまいたい
と感じるのも仕方がないことだと思います。
定年まで働き続けるメリット
定年まで働き続けると
どのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は正社員で定年まで働くケースを例にして
考えてみましょう。
・毎月安定した収入がある
正社員は月給制なので、毎月決まった収入が得られます。
生活に不安がないのは大きなメリットです。
・退職金を受け取ることができる
数年間勤めた会社を辞める時には
退職金が出る会社が多いです。
3年程度の短い期間では数十万円ですが
定年まで20年以上勤めると
1000万円以上になることもあります。
老後に必要な資金が2000万円以上と言われているので
この退職金があるのとないのでは大違いですね。
(参考:厚生労働省『平成30年就労条件総合調査 結果の概況』
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/index.html)
・会社の健康保険に加入できる
正社員やフルタイムのパート社員は
会社の健康保険に加入できます。
全国健康保険組合(協会けんぽ)や
会社独自の健康保険組合が運営していて
保険料の半額は会社の負担です。
ケガや病気で働けないときも
傷病手当で保障を受けられるのが
大きなメリットになります。
・厚生年金に加入できる
正社員で勤めている場合
加入する年金は
国民年金ではなく厚生年金です。
厚生年金は国民年金よりも
受け取ることができる金額が多いので
老後の負担を減らすことができます。
知っておきたい年金の仕組み
日本では「国民皆年金」
という制度が取られています。
20歳になったら
全員が自動的に加入するようになっており
60歳まで保険料を払い続ける仕組みです。
学生のうちは収入がないので
納付を猶予してもらったり
親が支払ってくれていたりした人もいるでしょう。
このように収入がなくても
20歳になったら全員が加入するのが
「国民年金(第1号被保険者)」です。
(参考:日本年金機構『20歳到達時の国民年金の手続き』
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/hatachi-tetsuduki.html)
厚生年金は先述した国民年金に
上乗せする形になっています。
基礎になる国民年金の上に
厚生年金の部分を積み上げていくことで
国民年金だけかけているよりも
多くの年金を受け取ることができる仕組みです。
結婚して専業主婦やパートをして
相手の扶養に入っている時は
国民年金(第3号保険者)ということになります。
保険料を払う必要はありませんが
もらえる年金額は第1号被保険者の人と同じです。
定年まで正社員で働くと年金はいくらもらえる?
将来受け取ることができる年金の額は
国民年金と厚生年金でかなりの差があります。
・国民年金のみの場合
平均支給額は月額5万6千円です。
・厚生年金(国民年金を含む)の場合
平均支給額は月額14万6千円となっています。
(参考:厚生労働省年金局『令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』
https://www.mhlw.go.jp/content/000706195.pdf)
厚生年金の方が
受給額が9万円ほど多くなっています。
年金が主な収入源になる老後で
この差は大きいですね。
できることなら正社員として働いて
厚生年金に加入しておいた方が
老後の生活にゆとりが出ることが分かります。
筆者の知人にも、子育てがひと段落してから
「少しでももらえる年金を増やしたい」
と正社員で働き始めた人がいました。
定年後の生活費に年金を充てたい場合は
正社員として働いておくのがベストな選択肢です。
今の会社で定年まで働き続けるのは辛い
定年まで正社員で働き続けることには
多くのメリットがあります。
しかし、人によって働き続けることは
難しいこともあるでしょう。
もし、正社員で働きたいけれど
今の職場で定年まで働くことが
難しいと感じている場合は
転職することも考えてみてください。
在職中に転職活動をするなら
「転職エージェント」
の利用をおすすめします。
転職エージェントを使えば
キャリアアドバイザーに相談しながら
仕事探しを進めることが可能です。
また、転職エージェントによっては
土日や夜間も面談を受け付けてくれます。
ハローワークも
親身に相談に乗ってくれる良い所です。
しかし、夜間や土日に営業している施設が少ないので
正社員やフルタイムで勤務している場合は
利用しづらいというデメリットがあります。
時間を有効に利用するためにも
ぜひ転職エージェントを使ってみてください。
自分では見つけられなかった
定年まで働けるような会社に出会えるかもしれません。
定年まで正社員で働くことはメリットが多いので
働けるならば転職をおすすめしたいです。
しかし、心身の健康に影響があるなど
もう働くこと自体が辛いという場合は
無理をする必要はないとも思います。
その場合は家計と相談しながら
投資で不労所得を得られるようにしたり
無理のない範囲に働く時間を減らしたりするなど
セミリタイアと呼ばれる選択肢も考えてみましょう。
まとめ
・60歳を定年とすると
そこまで働く自信がない女性の割合は約35%。
・定年まで正社員で働き続けることのメリットはたくさんある
その中でも特に厚生年金への加入は
老後の生活にも関わる大きなメリット
・国民年金と厚生年金では
厚生年金に加入していた方が
受け取れる年金の額が多くなる
・定年まで正社員で働くと
年金の額は平均で月額14万6千円になる
・定年まで今の会社で働き続けるのが辛いなら
転職も視野に入れよう
どうしても働けないならセミリタイアするのもあり
女性は家事や出産・育児などでの負担が大きく
定年まで働き続ける自信がない人も多くなっています。
確かに1日8時間のフルタイム勤務は
体力的にも家事のための時間的にも厳しいです。
しかし、正社員だからこそ得られる
メリットもたくさんあります。
特に厚生年金は老後の生活を
ゆとりあるものにするためにも
加入しておきたい制度です。
近年は所定の労働時間を減らしている企業や
テレワークなどの在宅でも仕事ができるような
働きやすい正社員の求人も増えてきています。
転職サービスを利用して
無理なく定年まで働けるような会社を
探してみるのはいかがでしょうか。
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