もくじ
彼岸花には毒がある?犬が食べたらどうなる?
彼岸花は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。
曼珠沙華・リコリスラジアータとも呼ばれています。
とても綺麗な秋の花ですが、実は有毒植物です。
リコリン・セキサニン・ガランタミンなどの、アルカロイド系の毒を含有しています。
口にしてしまうと、嘔吐・下痢・眩暈・呼吸困難・心不全などが引き起こされます。
命に係わる事もあるので、十分に注意しましょう。
とはいえ上記の症状が出るのは10g程度のリコリンを口から摂取した場合とされているので、過度に怖がる必要はありません。
それは、群生地が観光地になっている事からも分かっていただけると思います。
しかし、犬や猫などが知らずに口にしてしまう可能性はあります。
犬や猫も、人間と同じ中毒症状に苦しめられる事になってしまいます。
彼岸花の咲いている場所の近くで放し飼いにしない・彼岸花の咲いている場所は散歩コースにしないなど、飼い主としてペットを守る努力をしてあげてください。
毒がある彼岸花・・咲いている場所は?
彼岸花は、土手や畦道や墓地などに生えています。
意識して見てみると、近くに生えているのに気付くかもしれませんね。
彼岸花のイメージは赤色だと思いますが、実は白色や黄色などもあるので、赤い花を探していると見落とすかもしれません。
因みに、色によって花言葉が違います。
・赤色:情熱/独立/再会/あきらめ/悲しい思い出 など
・白色:また会う日を楽しみに/想うはあなた一人 など
・黄色:追想/深い思いやり/陽気/元気な心 など
色が違うと、イメージがガラッと変わりますね。
どことなく悲しい雰囲気の言葉が多いのは、墓地に生えているイメージがあるからでしょうか。
(墓地に生えている理由は後述します。)
彼岸花の毒は、茎にあるの?花にあるの?
彼岸花の毒は、花・葉・茎・根にあります。
彼岸花は全草有毒の一種で、全ての部分に毒性物質が含まれる植物です。
特に鱗茎と呼ばれる球根には、毒性物質が多く含まれています。
もし彼岸花を見付けたとしても見るだけにしておいた方が良いですが、いざという時には毒を抜いて非常食にする事が出来ます。
彼岸花の鱗茎にはデンプンが含まれているので、昔から不作や戦時中などで食糧難に陥った事に活用されていました。
●彼岸花の毒抜き方法
①ゴム手袋やビニール袋などで手を保護する。
②鱗茎の外側の皮を剥く。
③すり鉢やおろし金などを使ってすりつぶす。
④水に浸して繰り返し洗う。
⑤綺麗な水を入れた鍋で煮込む。
⑥天日干しで乾燥させる。
ポイントは、しっかり水で洗う事です。
何度か洗ったら、水を入れ替えてまた何度か洗ってください。
水を入れ替えるのは、最低でも7回は行ってください。
彼岸花の不吉なイメージは、毒から子供を守る為?
彼岸花には、1000種類以上の別名があるとされています。
●花の色や形に由来する別名
天蓋花・狐の松明・狐花 など
●毒性に由来する別名
毒花・痺れ花 など
●死に由来する別名
死人花・地獄花・幽霊花 など
不気味な雰囲気の別名が多いですね。
これは彼岸という死を連想させる名前が原因の一つなのでしょうが、子供を守る為とも言われています。
彼岸花の毒は基本的には口にしなければ問題無いですが、中には触れただけで皮膚がかぶれるという人も居ます。
特に、皮膚が薄く弱い子供は要注意です。
なので、不気味で不吉なイメージを持たせて近寄らせない様にしたという訳です。
また、子供から守るという面もあります。
彼岸花は非常時には食料にも薬にもあるので、子供が荒らさない様にしたそうです。
彼岸花の毒は、もぐらにも効果がある?
彼岸花が墓地に植えられている理由は、もぐらやねずみを寄せ付けない様にする為です。
今と違って昔は、人が亡くなると遺体は墓地に直接埋葬されました。
なので、もぐらやねずみなどが遺体を荒らす事が多かったそうです。
そこで、彼岸花の毒性を利用したという訳です。
彼岸花の鱗茎には、1つで約15mgのリコリンが含まれています。
この量は、もぐらやねずみなどの小動物1500匹分の致死量に値します。
※人が摂取した時の致死量は約10gなので、大量に食べなければ死ぬ事は先ずありません。
乱暴なやり方ではありますが、昔の人はこうして遺体を守っていたのです。
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