もくじ
梅干しの白い濁りはカビ?それって不吉なの?
家庭の味、毎年引き継がれる梅干しって素敵ですよね。
昔から作られてきた塩分濃度の高い梅干し、昔は30%も塩分濃度があったらしいですよ。
言い伝えで「梅干しにカビが生えると不吉」というものがあります。
結論から言えばこれは、紛れもない迷信なんです。
梅干しに生えるはずのないカビが生えるのは、家事や畑仕事を怠けている証拠だという昔の人の厳しい言葉から来ているというのが一番知られているみたいですね。
普段起こるはずのないことが起こると不吉なことが起きる、という忠告でしょうか…。
でも漬ける工程の中で、梅や漬け汁に白い濁りが出るということがあるんです。
カビだとすぐ決めつけて処分するのは待ってください!
漬け汁の表面だけが薄い膜のようなものに覆われている状態なら、おそらく「産膜酵母」といわれる、食べても害のないカビの一種でしょう。
放置すると他のカビが発生するので、早めに処理する必要があります。
一方、明らかに梅の表面に白い粒のようにびっしりついたものは、カビが繁殖した状態といえます。
梅が漬け汁に完全に浸かっていなかった場合によく起こる現象で、この場合は残念ですが処分したほうが安全です。
また産膜酵母とは違い、漬け汁の表面に浮いた白い粒の場合はカビでない可能性が高いです。
梅の成分であるクエン酸と、塩の中に含まれるカルシウムが混ざって「クエン酸カルシウム」という成分になり、表面に結晶となって出てくることもあるんです。
見分け方は、白い粒を少し取ってお湯につけ、溶ければ塩で溶けなかったらカビの可能性が高いですね。
触ってみてもわかる場合もあり硬い粒状なら塩で、フワフワした形状で柔らかいのはカビと判断します。
梅干しにできたカビの対処法は?
普通、そう簡単にカビが生えるものではないのですが、塩分濃度が低すぎたり、下準備の不足などでまれに漬け汁に白いものが現れたりすることがあります。
容器から少し漬け汁を取り出し、臭いをチェックしてみるとわかりますよ。
独特のカビ臭さってありますよね、その臭いがしたら可能性が高いので、梅と漬け汁に分けて処理します。
漬け汁を弱火でコトコト煮詰めてアクを取る作業をすると、次第に透明になっていくのでとにかくやってみましょう。
粗熱が取れるまで、梅の作業を進めます。
35度のホワイトリカーで梅をよく洗うことで、カビや菌が取れますよ。
これまでの容器に戻すにしても、新しい容器に変えるにしても、きちんと殺菌処理(熱湯消毒やホワイトリカーにつける)をすることがカビを防ぐ第一歩です。
粗熱が冷めたら、消毒した容器に漬け汁と梅を入れて干す時期まで待ちましょう。
梅干しにカビが生える原因は?
梅干しに限ったことではないのですが、漬物は冷蔵庫のない昔から作られてきた塩分の高い保存食ですよね。
でも季節に関係なくカビが生えるっていうことがあるのは、なぜでしょうか。
まず考えられる原因は、作る工程にあります。
最初に行う梅の水洗いの後、乾燥させるのですが、この乾燥が不十分だとカビが発生するんですよ。
特に、梅干しの「へそ」を取った後に水洗いするのは避けましょう。
カビ菌があるまま漬けてしまうと大変ですね…。
梅干しは、塩分と酸が強い食品なので漬ける容器にも気を付けなければなりません。
金属容器を使って漬けると、塩分と酸の成分で容器が錆びることもあり、カビの原因のひとつになってしまいます。
これを防ぐためにも、漬物専用の容器を選びましょう。
カビの発生が一番高いのは、梅が完全に漬け汁に浸かっていないこと。
毎日とは言いませんが、三日に一度くらいは梅干しを観察し、梅が沈んでいるか確認し、土用干しまでは容器を揺すってあげるといいでしょう。
そしていよいよ土用干しになったら、天日でしっかり干すことがカビを防ぐポイントです。
梅干しに黒カビが生えたらどうすればいい?
白カビ対策はご紹介してきましたが、カビといってもいろいろあります。
黒カビは主に赤紫蘇を入れた後に発生することが多いみたいです。
黒カビの成分は「クラドスポリウム」と「アスペルギルス」というもので、後者は別名「コウジカビ」とも言われるポピュラーなカビなんです。
黒カビの原因は「皮膚のたんぱく質成分」や「洗剤の残り」で、おそらく漬け込む際に雑菌が混入したのでしょう。
防ぐためには清潔を心がけますが、生えてしまったカビには対処しなければなりませんね。
まずはカビの生えた箇所を取り除き、あとは白カビ対策と同じで構いません。
ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。
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