もくじ
リチウムイオン電池の充電方法
皆さんは、リチウムイオン電池を知っていますか?
リチウムイオン電池は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動する事で充放電を行う電池の事で、大容量の電力を蓄える事が出来ます。
身近な物だと、携帯電話やパソコンのバッテリーで使用されています。
リチウムイオン電池と一言で言っても、電池の形状や正極・負極に使用する素材の違いなどで特長が異なるので、様々な種類があります。
一例:東芝の産業用リチウムイオン電池SCiB™は、負極にチタン酸リチウムを使用する事で安全性・長寿命・低温性能・急速充電・高入出力・大実効容量などの特長を持っています。
●リチウムイオン電池の充電方法
1:充電器で電流を流す。
2:正極側にあるリチウムイオンが、電解液を通って負極側に移動する。
3:正極と負極の間に生じた電位差で充電される。
リチウムイオン電池の充電のタイミング
一般的に、充放電が可能な物をリチウムイオン二次電池・使い切りの物をリチウムイオン一次電池と呼びます。
では、リチウムイオン二次電池の充電のタイミングで、正しいのはどちらでしょうか?
①途中で継ぎ足しながら充電する。
②0%まで使い切ってから充電する。
正解は①です。
リチウムイオン電池が普及する前は、②でした。
以前の二次電池にはメモリ効果と呼ばれる特性があって、電池容量を使い切っていない状態から再び充放電を行うと電池が前回の残容量を性能限界だと記憶しているかの様に、残っていた容量の付近で性能が低下してしまいます。
リチウムイオン電池はメモリ効果が発生しないとされているので、0%まで使い切ってから充電する必要はありません。
リチウムイオン電池が充電できない原因
リチウムイオン電池は身近な物だと携帯電話やパソコンのバッテリーで使用されていますが、それらの充電が出来なくなった経験はありますか?
単純に充電器の破損や携帯電話の故障といった可能性もありますが、バッテリーの劣化という可能性もあります。
リチウムイオン電池は、充放電を繰り返す回数が多ければ多いだけ性能が劣化するサイクル劣化という特徴があります。
劣化の目安は約500回の充放電とされていて、劣化によって電池の容量が半分程度になるそうです。
500回の充放電で全てのリチウムイオン電池が一気に劣化してしまう訳ではありませんし、劣化しにくい充電を心掛ければ劣化するタイミングを遅らせる事が出来ます。
リチウムイオン電池の復活方法
結論から書きますが、リチウムイオン電池には復活方法は存在しません。
なので、出来るだけ劣化させない様に使用する事が大切です。
●リチウムイオン電池を長持ちさせる使い方
①高温下に置かない
一般的なリチウムイオン電池は、負極での化学反応による劣化の影響が比較的大きいとされています。
化学反応は温度依存性があって、高温であればあるだけ劣化が早くなります。
②充電を100%にしない
前述した化学反応は、充電が100%の状態(SOC100%)の方が早く進むという性質があります。
なので、充電が100%の状態の方が負極へより強い負荷が掛かって劣化しやすい傾向にあります。
③使用する電池残量の幅を小さくする
前述したサイクル劣化を伸ばす為に、充電率(SOC)の幅を狭くしましょう。
SOC20~70%程度で使用すると、バッテリーの寿命を伸ばす事が出来るとされています。
リチウムイオン電池の過充電と過放電
リチウムイオン電池が劣化する主な原因として充放電を繰り返す事によるサイクル劣化を説明しましたが、それの進行を促してしまうのが過充電と過放電です。
過充電は、100%になっても充電し続ける事で発生します。
ただ、最近の携帯電話やパソコンには過充電の対策をする機能が搭載されているので、あまり気にしなくても大丈夫です。
過放電は、0%のまま長時間放置する事で発生します。
頻繁に使っている端末を0%のまま長く放っておく事は無いと思いますが、端末を複数台持っていてあまり使っていない端末があるという人にはありがちな事です。
なので、あまり使わない端末でも定期的に充電する様に心掛けましょう。
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