もくじ
お盆の迎え火と送り火って?やり方は?
日本の伝統的な行事の一つが、お盆です。
正式には『盂蘭盆会(うらぼんえ)』と言って、インドの言い伝えが日本の祖霊信仰と結び付いて生まれたと言われています。
お盆は故人・ご先祖の霊をあの世からお迎えして共に過ごす大切な期間で、お墓参り・盆踊り・迎え火・送り火などの風習があります。
どれも大切な風習ですが、迎え火と送り火については徐々に簡素化されて廃れつつあるのが現実です。
なので知らない人も多いと思いますが、ここで日本の古き良きお盆の風物詩である迎え火と送り火について説明していきます。
●迎え火
お盆に故人やご先祖の霊が門口や玄関などで目印として火を焚く事によって迷子にならずに帰ってくることができると言われています。
その火の煙に乗って、故人やご先祖の霊は家の中に迎え入れられると言われています。
●送り火
お盆で共に過ごした故人やご先祖の霊が無事に帰れるか見送る為に、迎え火と同じ場所で火を焚く事です。
その火の煙に乗って、故人やご先祖の霊は天に戻っていくと言われています。
次項から、細かく説明していきます。
お盆の迎え火と送り火は、いつする?
旧暦では7月15日がお盆で、迎え火と送り火はその前後に行われていました。
しかし、明治5年(1872年)に旧暦から新暦への改暦がなされた影響で日本の行事は30日遅れとなり、お盆は新暦の8月15日に行われる様になっていきました。
2019年のお盆の期間と、迎え火と送り火を行う日は下記の通りです。
新盆:8月13日~16日・迎え火:8月13日・送り火:8月16日
旧盆:7月13日~16日・迎え火:7月13日・送り火:7月16日
※新盆というのは死後初めてのお盆の事で、初盆とも言います。
※旧盆というのは旧暦のお盆の事で、月遅れの盆とも言います。
お盆の迎え火と送り火をする時間は?
迎え火と送り火を行う時間帯は夕方です。
何時からという決まりは特にありませんが、迎え火は日が暮れかかっている少し明るさの残っている頃に行い、送り火は日が落ちて暗くなってから行うのが良いそうです。
これは、故人やご先祖の霊を出来るだけ早くお迎えして出来るだけ長く一緒にいてもらう為、と言われています。
●迎え火と送り火のやり方
1:仏壇や仏具を清めて、盆棚(精霊棚)を設置する。
2:盆棚へ、位牌・お供え物・精霊馬・盆提灯などを置く。
上記は故人やご先祖の霊を迎え入れる準備なので、13日の午前までに済ませるのが良いです。
3:お墓参りをする。
4:お寺から火種をいただき、オガラを焙烙の上で燃やして迎え火を焚く。
5:お盆の明ける16日に、オガラを焙烙の上で燃やして送り火を焚く。
※難しい単語は次項で説明しています。
お盆の迎え火と送り火が簡単に出来るセットはある?
・盆棚(精霊棚)
霊をお迎えする祭壇の事です。
・オガラ
皮を剥いた麻の茎の事です。
麻は清浄な植物とされているので、それを燃やす事で空間を祓い清めるという意味があります。
・焙烙
素焼きの平皿の事です。
持っていない場合は、耐熱性のある平皿や大きめの灰皿などで代用しましょう。
・精霊馬
キュウリで作った馬とナスで作った牛の事です。
速い馬に乗って家に戻ってきた霊が遅い牛に乗って天に帰っていく、つまり出来るだけ長く家族と過ごせる様にという思いが込められています。
精霊馬は、送り火で燃やしましょう。
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マンションの場合、お盆の迎え火と送り火はどうする?
迎え火と送り火は大切な儀式ですが、マンションで火を焚くと火災報知器が反応したり隣室の迷惑になったりと、大変な事になってしまう可能性が高いですよね。
マンションに限らず、火が焚けない場合は盆提灯を使いましょう。
盆提灯の明かりが、火の代わりに目印になってくれます。
●迎え火:13日の夕方に盆提灯を持って玄関先に立ち、一礼して黙とうしてから盆提灯の明かりを消す。
●送り火:16日の夕方に盆提灯を持って玄関先に立ち、一礼して黙とうしてから盆提灯の明かりを消す。
盆提灯は霊が迷わない様に見やすい玄関の外に飾るのが良いですが、マンションでは玄関の外は共有部分なので避けた方が無難です。
見えにくくなりますが玄関の中に飾るか、見えやすいベランダや窓などの近くに飾りましょう。
盆提灯には吊るすタイプや置くタイプなど色々あるので、飾る場所を考えて選びましょう。
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