もくじ
端午の節句のちまきの食べ方
端午の節句では鯉のぼりや五月人形を飾る人が多いですが、ちまきを食べるのが定番という方も居るでしょう。
ちまきとは、もち米や米粉などで作った餅を三角形や円錐形にして、ちまきの葉で包んでいぐさで縛った物です。
蒸したり茹でたりして加熱してから、きな粉や砂糖をまぶして食べるのが定番です。
【ちまきの豆知識】
ちまきの由来は、中国の伝説です。
楚の詩人・屈原は、陰謀によって国を追われてしまい、それが原因で河に身を投げて入水自殺してしまいます。
屈原の死を嘆いた人々は、屈原の霊に捧げる為に米を詰めた竹筒を河に投じました。
しかし、河に住む竜に食べられてしまいました。
そこで、竜が嫌う葉で米を包んで、邪気を払う為に5色(赤・青・黄・白・黒)の糸で縛って、河に投じました。
これが、ちまきの始まりです。
※諸説あります。
端午の節句のちまきは、地域によって違う?
最初の項でちまきの中身は餅と書きましたが、他にも種類があります。
特に多いのは、おこわです。
おこわとはもち米を蒸したご飯の事で、栗おこわ・山菜おこわ・鶏おこわなど、入れる食材によって呼び方が変わります。
※ここからは、餅の方を菓子系ちまき・おこわの方を三角ちまきと書きます。
東日本では【三角ちまき】が多く、西日本では【菓子系ちまき】が多いというデータがあります。
また、鹿児島県と宮崎県では【あくまき】が主流でした。
あくまきとは、灰汁で炊いたもち米を竹の皮で包んだ物です。
因みに、沖縄は【食べた事が無い】というのが最多でした。
端午の節句にちまきを食べる由来は?
ちまきの始まりになったと伝えられている屈原は、5月5日が命日です。
なので、中国では5月5日にちまきを河へ投げ入れたり作って食べたりする風習が定着していきます。
その風習は、次第に病や災いを払う為の宮中行事に変化していきます。
そして端午の節句が5月5日に定められた事で中国全土に広がり、日本にも伝わってきました。
日本では田植えの季節である5月に邪気を払って豊作を祈願していましたが、これに端午の節句が組み合わさって、健康や家内安全などを願う風習となりました。
余談ですが、ちまきを縛ったという糸の5色は中国の陰陽五行説が由来です。
五行とは、宇宙に存在する全ての物が木・火・土・金・水の5つの要素で成り立っているという考え方です。
それを色で表現したのが五色で、木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒です。
この5色は、鯉のぼりに使われています。
端午の節句のちまきの作り方
ちまきを作る時は葉で包むのが本来の作り方ですが、ここでは簡単に作れる作り方を紹介します。
●材料
もち米・干し椎茸・鶏肉・人参・筍・干し椎茸の戻し汁・水・鶏がらスープ・酒・砂糖・醤油
●作り方
1:もち米を洗って水に浸けて、30分程度してからザルで水を切る。
2:干し椎茸を水で戻す。
3:椎茸・人参・筍・鶏肉を小さく切る。
4:干し椎茸の戻し汁・鶏がらスープ・酒・砂糖・醤油を混ぜ合わせて、調味料を作る。
5:フライパンで鶏肉を炒めて、火が通ったら椎茸・人参・筍を入れて更に炒める。
6:調味料を加えて、強火で煮立てる。
7:灰汁を取ってから、ザルとボウルを使って具と煮汁に分ける。
8:フライパンでもち米を炒めて、軽く火が通ったら煮汁を加えて更に炒める。
9:汁気が無くなったら具を入れて混ぜ合わせて、クッキングペーパーで包む。
10:蒸し器で蒸す。
端午の節句のちまきにオススメの中身と食べ方
菓子系ちまきの場合、うるち米を使っても美味しく作れます。
もち米とうるち米は、デンプンの構造が大きく違います。
デンプンはアミロースとアミロペクチンに分けられるのですが、うるち米はアミロースとアミロペクチンの割合が2:8程度なのに対して、もち米はアミロペクチンのみです。
アミロペクチンは餅の粘りの元なので、うるち米で作った餅は粘りが弱くなります。
菓子系ちまきはそのまま食べてもきな粉や砂糖をまぶしても美味しいですが、下記の食べ方もオススメです。
①黒蜜
②黒蜜+きな粉
③砂糖醤油
三角ちまきの場合、おこわに入れる具材を変えると違った味を楽しめます。
前項で紹介した鶏肉を使ったおこわは、あっさりした味わいになります。
栗・山菜・鮭・きのこ・鯛・鰻・梅など、いろいろ試してみてください。
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